■ 線スケッチいろは ■
| 3. 憧れ〝旅スケッチ〟 |
| 3-1. 季節別心構え |
| 3-2. ツアー参加の場合 |
| 3-3. スケッチをしない友人・家族とのフリー旅行 |
| 3-4. スケッチ旅行 |
| 3. 憧れ〝旅スケッチ〟 | |
| 「旅で描きたい」というのはスケッチを始めた動機のひとつです。旅での思い出を自分の感じたままに絵で表現できたら、最高じゃあありませんか！
それまでの旅行はいつも行くまでが楽しくて、いざ行くと圧倒されて慌しくて、旅の終わりにはなんともいえぬ空虚感、そしてぐったりと帰宅、ということが多かったのですが、旅スケッチをするようになってから、スケジュールもスケッチ用にゆったりと設定するようになり、旅の終わりにつれてたまるスケッチに顔もほころび、帰国後も色塗りで思い出をかみしめたり、完成した作品を教室やＨＰで見てもらえる喜びもあり、何倍にも楽しみが膨らみました。 旅スケッチには、ある程度心構えが必要です。「描けたらいいな～」くらいではいけません。いろんな誘惑に負けずに「描くぞ！」という心意気がないと！ |
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| 3-1. 季節別心構え(国内） | |
| 春 | 春先はじっとしているとまだ寒いので、上着は必須。花粉症の方はマスクも。紫外線も強くなってくるので、日焼け止めもしっかり塗ります。スケッチブックの白に反射して、顔や首まで焼けます。目の保護のためにサングラスも用意します。 |
| 夏 | 夏は、帽子やサングラス、十分な飲み物を用意し、公園などの場合は虫除けスプレーも必要です。飲み物は凍らせて持っていくといいです。描き始めは日陰でも太陽は動きます。炎天下は危険です。 |
| 秋 | 秋は、紅葉にそそられますが、紅葉のピークは一瞬ですからお見逃しなく。季節の変わり目ですので、天気予報をよくチェックし、変化に対応できる服装に。 |
| 冬 | 冬は、野外スケッチには難しい季節です。車をお持ちの方は車中から。カフェスケッチもいいですね。外でのスケッチは、足元から冷えてきますので、靴下を重ねる、カイロを貼る、近くにすぐ温まれる場所があるかをチェックしてから描き出すなど、工夫します。指先だけ出せる手袋が大活躍です。 |
| 3-2. ツアー参加の場合 |
| ここで言うツアーとは、友達家族同伴で、添乗員さんもいて、スケジュールが朝から晩までびっしり決まっている大忙し旅行のことです。
こういう旅行でスケッチをするのは至難の技。チャンスは少ない自由時間か、人が寝ている時間帯、ということになります。しかし、何があるのかわからないのが旅ですから、常にスケッチブックとペンは用意しておきましょう。 ツアーにはツアーの良さがあります。情報量が豊富だということです。効率良く名所を案内してくれますから、次回のスケッチ旅行の下見だと思って目に焼き付けておく、というのも手です。気持ちが乗らないのに、無理やり描くことはないのです。 |
| 3-3. スケッチをしない友人・家族とのフリー旅行 |
| もしスケッチを存分にしたいのなら、事前に了承を得ておきましょう。
3名以上いる場合は自分だけ別行動をすればいいのですが、問題は2人の場合。相手が一人でも楽しめる人ならいいですが、いかにも「待ってる」「待たせてる」というのは辛いもの。そうなってしまう場合、私はスケッチしません。旅にはスケッチ以外の楽しみもたくさんあるわけですから、「今回は食に徹する！」「買い物するぞー！」とチャンネルを切り替えます。 |
| 3-4. スケッチ旅行 |
| スケッチャーにとっては最高の環境。なにはさておき、描くに徹するべき。たとえ、現地の名物料理を食べ損なっても、日本の半額で買えるブランド店を素通りしようとも、スケッチに集中！！！な～んて、そうは言っても、やっぱり楽しめる範囲で他のこともしちゃいますけどね。暗くなってスケッチできなくなってからショッピングとか、旅の中で1日はフリーにして食い倒れるとか、のんびりdayにするとか。
海外の場合、特に興奮と緊張でなかなかペンが進まないことがあります。そのためにもなるべく滞在先はしぼって、ゆったりとしたスケジューリングをします。1箇所に5日以上居られたらベスト。3日だと、慣れたころに移動しなくちゃならないし、2日以下じゃあ焦るばかり。どうしても短期間になってしまうときは、私の場合スケッチブックを小さいものにして短時間で数を描くようにします。「完成させること」が一番大事ですから。 旅で自分のペースで描くには、普段から自分のペースを把握しておくことが大事です。野外スケッチに出かけたとき、描くものを見つけるのに自分はどのくらい時間がかかるのか、F4サイズなら何時間で描けるのか、リラックスして描くには何を携帯しておくといいのか、などなど。普段から一人で出かけ、自分自身を盛り上げ、感性を研ぎ澄ませてモチーフの呼ぶ声を聞き分け、見つけたらそれに没頭する、という習慣をつけておきましょう。 |
| ＜おまけ＞ よく訊ねられる質問に「海外にスケッチに行くならどこがいいですか？」というものがあります。今までスケッチした国は、イタリア、フランス、イギリス、ポルトガル、トルコ、フィンランド、スウェーデン、デンマーク、ロシア、アメリカ（西海岸・ハワイ）、中国、ベトナム、台湾、です。 一番ノリノリで描けたのはポルトガル。これはスケッチ目的で行ったので、リスボンの同じホテルに5泊して、街中出会うもの出会うものを描いて歩きました。街も小さいので、歩きまわるにもちょうどよく、達成感のあるサイズです。 イタリア・フランス・イギリスは、首都内だとビルと人とで大変。少し離れた小さな村や何かはきっといいでしょうね。そういった意味で、トルコはかなりマイナーな村々をまわり、人々の生活シーンにたくさん出会うことができて、すごくそそられました。また描きにいきたい国です。 北欧は、行くとショッピングで描くどころではなくなってしまうのだけど、スウェーデンの旧市街やフィンランド、デンマークの郊外の家々はほんとーーーに素敵！！！長期で滞在して、のんびりと生活しながら描きたいですね、ぜひ。 ベトナム・台湾は街中だと難易度高いです。とにかく人間が多いので、囲まれるとか勧誘されるとかなかなか集中できない。まだまだ修行が足りないです。 これから描きたいところ（まずは行ってみたいところ）・・・ |